アロマセラピーでよく使われる植物油について
特性を活かして使用する植物油・9種

植物油名植物科名・学名
抽出部位
特徴脂肪酸組成
アルガン油アタテツ科
  Argania spinosaの種子

 今注目のオイル。皮膚細胞に栄養を供給して皮膚トラブルを素早く回復
再生させる為、自然の最高の老化防止薬とも言われています。モロッコのアトラス
山脈だけに自生するトゲのある高木で樹齢は千年を越し、高さ10mにも達する樹も
多いと聞きます。採油地のモロッコでは、スキンケアからヘアケア、食用にも用い
られ、その美容効果が欧州にも広がり、日本でも人気がでました。
皮膚組織再生作用、コレステロール低下作用が見られ生活習慣病の予防に良いでしょう。
オレイン酸 40〜50%
リノール酸 30〜40%
パルミチン酸 8〜15%・他
ビタミンE(α-トコフェノール)含有
アルニカ油キク科
  Arnica montanaの花

 浸出油(オリーブ油などの植物油に漬け込み有効成分を浸出させる)です。
打撲や青アザに大変効果的な植物油で、ヘリクリサムやペパーミント、ローレルなどと
ブレンドして皮膚に塗布することで、筋肉の緊張を和らげたり、強打による腫れを減少
させたり、外傷や打撲によるうっ血を改善します。
循環器系疾患の要因となりうるので、経口はしません。
オレイン酸 50〜70%
リノール酸 10〜20%
パルミチン酸 10〜20%
*ベースオイルにより組成が異なる
月見草油
(イブニングプリムローズ)
アカバナ科
  Oenothera bienniesの種子

 リノール酸の含有率が最も高く細胞膜の代謝作用を活発にし、あらゆる
タイプの肌の水分を調整する。健康面、美容面両方に有用です。
 エストロゲン作用があり、更年期障害の処方や生理痛などの処方に用いられることも
非情に有名です。ヨーロッパでは、イブニングプリムローズのカプセルが販売されており、
40歳を過ぎた女性の健康管理に大変有効な栄養補助食品として愛用されています。
エストロゲン作用、コレステロール低下作用、皮膚組織再生作用が期待できます。
リノール酸 65〜80%
γ-リノレン酸 7〜10%
パルミチン酸 4〜8%他
カレンデュラ油
(マリーゴールド)
キク科
  Calendula officinalisの花

 浸出油(オリーブ油などの植物油に漬け込み有効成分を浸出させる)です。
皮膚の自然抵抗力を補強する場合に優れた植物油で、古くから民間薬として使われ
てきた歴史があります。皮膚の荒れを鎮め、ひび割れた皮膚や痒みがある皮膚、
ざらざらした皮膚のケアに使用されています。
抗炎症作用、抗酸化作用、鎮痛・鎮静作用が期待できます。
リノール酸 55〜70%
オレイン酸 20〜35%
パルミチン酸 5〜10%
*ベースオイルにより組成が異なる
カロフィラム油オトギリソウ科
  Calophyllum inophyllum の実

 カロフィラムは、治療目的で使用されている植物油です。
古くから、種子の油は皮膚病の塗布薬として、樹皮は煎じて寄生虫駆除薬として
根は、煎じて打撲やリウマチの治療薬として使われてきました。
毛細血管保護、静脈再生、血流促進、血液凝固阻止作用、皮膚の、胃や腸の瘢痕形成作用
免疫促進、抗感染・抗菌作用が期待できます。
 血液凝固阻止作用が有る為、血友病の患者さんには使用できません。また、
経口投与の場合は、乳幼児、子供、妊産・授乳中の産婦には使用できません。
リノール酸
オレイン酸
ステアリン酸
パルミチン酸・他多数
小麦胚芽油
(ウィートジャーム)
イネ科
  Triticum vulgareの胚芽

 ビタミンEの宝庫であり、細胞と組織を保護する大切な酸化防止剤として
活性酸素による組織の老化を予防する働きがあります。ビタミンE(α-トコフェノール)以外にも
プロビタミンA、ビタミンB類、ミネラル類を含み、乾燥肌や落屑のある肌の手入れや
皮膚疾患に効果的です。
抗酸化作用、保湿作用、抗炎症作用、皮膚組織再生作用が期待できます。
リノール酸 45〜65%
オレイン酸 15〜30%
パルミチン酸 10〜20%・他
ビタミンE(α-トコフェノール)含有
ローズヒップ油バラ科
  Rosa rubiginosaの実

コラーゲンの再生を促すため、シワを予防し弾力性のあるしなやかな
皮膚に再生する。死んだ皮膚細胞の角質層を落とす作用が有り、更に新しい細胞を
活性化する。美肌オイルの代表格です。
皮膚組織再生作用、コレステロール低下作用、エストロゲン作用、抗炎症や
皮膚の鎮静作用、肝臓・膵臓機能回復作用が見られます。
りノール酸 40〜50%
α-リノレン酸 20〜40%
オレイン酸 5〜20%他
セントジョンズワート油オトギリソウ科
  Hypericum perforatumの花・蕾

 鎮静効果がとても高く抗炎症作用もあることから、太陽を浴び過ぎた
後に有効で、日焼けや火傷の改善に効果がある。また、うっ血除去作用もある為
手足のむくみの軽減に役立ちます。
抗炎症、鬱血除去、鎮痛作用、瘢痕形成作用が見られます。また、光感作作用が有るので、
塗布した肌を直射日光に当てないようにする。
オレイン酸 60〜80%
リノール酸 5〜15%
パルミチン酸 5〜15%
*ベースオイルにより組成が異なる
シアバターアカテツ科
  Vitellaria niloticaの実

 バター状の植物油で、アフリカの強い日差しから肌を守るスキンケアク
リームとして使用されています。オレイン酸を多く含み保湿作用が高く、皮膚の乾燥を
防ぐ。また、角質化した皮膚の再生を助け皮膚を柔軟にすることから、老化による
シワを予防する。 脂肪酸の含有率は確認されていません。
オレイン酸 
ステアリン酸 
リノール酸 

以上、NRAD JAPAN発行 ケモタイプ小事典より引用

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